目の健康だより「スマホなど情報機器で目が過酷な環境に」

スマホなど情報機器で目が過酷な環境に

旬の情報

2019年10月15日 掲載

 スマホやタブレット、VRゴーグル等の情報機器(デジタルデバイス)の普及に伴い、小児から成人まで幅広い世代の目が過酷な環境にさらされています。幼児でもスマホやタブレットで長時間動画等を見てしまっている場合もあります。また目と画面との距離を適正に保つ事がとても大切ですが、特にスマホでは20cmくらいの距離で見てしまっていることが多いといわれております。人はごく近くを見る場合、両目で見る為に両目を内側に寄せる輻輳(ふくそう)という眼球運動を行うのですが、20cmのものを両眼で見るには30cmと比べてより大きな輻輳を必要とします。スマホは長時間かつ近距離で見る事が有り、輻輳も大きな輻輳を長時間必要とします。その事などが誘引となって急性の内斜視を引き起こす可能性が指摘されております。この直接の作用は眼球を動かす筋肉の働きですが、距離や固視点が変動しても両目そろって見続けられるのは、脳の輻輳中枢が働いて両方の眼球をコントロールしているからなのです。急性の内斜視を引き起こす主たる原因は、この脳の輻輳中枢が過労により正しく働かなくなっている可能性があります。本の活字のように固定していて動かない読書の場合は、近い距離で長時間見ても近視は進行しても、スマホの場合の様にスマホ老眼や急性内斜視になるという報告は今までありませんでした。

 一方間欠性外斜視や外斜視の傾向のある方の場合は、輻輳をする事で疲労を生じやすいと言われております。20cmという距離では大きな輻輳を必要とし、疲労を避ける為に輻輳を無意識のうちに怠けて片眼で見てしまい、外斜視の悪化も危惧されております。20cmという距離では、ピントを近くに合わせる調節も多くの量を必要としますので、眼精疲労の原因にもなります。またスマホやタブレットを操作する場合、目と画面との角度にも気を付ける必要があります。器機を下に置いて頭を突き出して下方を見続けると首の骨と神経を傷めて、様々な体の不調にもつながるストレートネック症状の原因になります。スマホを見る場合にスマホを顔の前に持って操作するようにすれば首への負担は軽くなります。スマホを見るときは最低でも30cmは離して、かつスマホの文字サイズを大きなフォントに設定して見る必要があります。また縦向きと横向きのどちらでも見る事が可能な場合は、スマホを横向きに持った方が目に対する負担は少ないと考えます。VRゴーグル等ヘッドマウントディスプレイではさらに、人工的な環境に対する感覚の違和感として映像酔いを生じる場合があります。

 各種情報機器を見る場合は瞬目が減少しドライアイも生じる危険性があります。近年話題となっているeスポーツやスマホゲームでは、熱中してまばたきも我慢するので目もひどく乾いてしまいます。その上メールや検索記事を見る場合と異なり、画面内の動きが極めて速くそれに視線を合わせ続けるために、眼球の筋肉やコントロールする脳中枢の疲労が極端に大きくなる可能性が有ります。また仕事でパソコンを使用している方は毎日長時間の作業を行う場合があり、調節に対しても過酷な環境です。パソコン作業を減らすのが原則ですが現実的には難しいことが多く、調節に対する負荷を軽減するのにパソコンの視距離にあわせた適切な眼鏡やコンタクトによる矯正も有用です。眼科での視力検査は遠方視力(5mもしくは3m)と、近方の視力(30cmもしくは40cm)を測ることが一般的です。当院ではさらに春日井・小牧両院ともパソコンなどの中間距離の視力を測定することが可能な60cm視力表が導入されており必要な場合に検査を行うことが可能です。今後デジタル教科書も予定されており今以上に目に負担がかかることが予想されています。情報機器の適正使用の啓発と対策がますます必要となってきています。

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