変視症と黄斑上膜
2020年03月04日 掲載
変視症という言葉をご存じでしょうか。見た物や景色の一部がゆがんで見えることを変視といいます。また変視症にはゆがんで見えるだけでなく、視野の中の左右で物の大きさが違って見えることも含みます。変視症は、様々な眼科疾患で生じます。黄斑上膜、黄斑変性、黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症、糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫など網膜の様々な疾患で生じます。黄斑とは網膜の中心で最も視力に関係する箇所です。黄斑上膜とは、黄斑にセロファン状の膜が生じて網膜にかぶさってしわが寄る病気です。進行すると視力が低下し、変視症が強くなってきます。通常、黄斑上膜は軽症の場合は経過観察となり、進行すれば手術が必要になる場合があります。手術適応の判断のためには視力だけでなく、変視程度の検査も大切です。一般的に変視の検査として、アムスラーチャートと呼ばれる格子状の検査シートが用いられています。この検査は簡便ですが、あくまでもゆがみが有るか無いかを調べるだけで、ゆがみの程度の定量的な計測はできません。平田眼科・小牧平田眼科にはM-CHARTSという新しい検査シートがあり、ゆがみの程度の定量評価まで可能です。ゆがみの強さを数値で評価できるので、黄斑上膜の手術適応の判断に有用です。
物がゆがんで見えるかどうかの判断には右目、左目それぞれ片目ずつで見て比較することも大切です。もしどちらかの目の視野の中で、物がゆがんで見える部分が有りましたら、早めの受診をお勧めします。