黄砂やPM2.5などによるアレルギー性結膜炎の悪化
2017年03月16日 掲載
スギやヒノキの花粉のピークが過ぎても目のかゆみでお困りの方は、黄砂やPM(粒子状物質)などの環境因子が関与しているかもしれません。生活環境の変化に伴い、環境因子によりアレルギー性結膜炎の症状が強くなる場合があります。環境因子には黄砂、大気中のPM、火山粉塵などがあります。黄砂は下記の気象庁のホームページにあるように2月から5月によく観測されます。
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ kosahp/kosa_table_1.html
黄砂の粒子の大きさはおおよそ5から100μmの大きさです。黄砂には細菌や真菌などが付着していることがあります。またアルミニウムなどの金属が含まれることがあります。
一方PMは同様に春から初夏にかけて多く観測されることが多いですがそれ以外の季節でもみられます。PMにも粒子の大きさにより様々な種類がありますが、このうち有名なのはSPM(浮遊粒子状物質)やPM2.5(微小粒子状物質)です。SPMは粒子の大きさがおよそ6.5から7.0μmで、PM2.5はより小さく2.5μm以下の物質を指します。
PM2.5に関しては環境省の下記ホームページもご覧ください。
http://www.env.go.jp/air/osen/pm/ info.html#ABOUT
粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。
これらの黄砂やPMなどの環境因子は、アジュバント作用によりアレルギーを誘発、増悪させている可能性があります。アジュバント作用とはわかりやすく言うとそれ自体がアレルギーの主な原因になるのではなく、補助因子となってアレルギー反応を強めるすなわちアレルギー性結膜炎の症状が悪化するということです。このような状態では抗アレルギー点眼や、ステロイド点眼、非ステロイド消炎点眼、角膜保護点眼などを状況により使い分けたり、組み合わせて治療を行います。目のかゆみや目やにが出る等、気になる症状が続く場合は、花粉症と自己判断される事なく、当院受診時に医師にご相談下さい。